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記事No 1145
タイトル 新たな出発
投稿日 : 2019/03/01(Fri) 02:41:26
投稿者 渚GM
参照先
件の婿取り騒動から半年。大和国は大きな変移を迎えようとしていた。
「――と、いうわけでぇ〜。やっと先方からの許可が下りたので、ヴォルケインの支部が誕生しましたー。ぱちぱちー」
のんびりとした声と、小さな拍手が多種多様な種族の集まる天守に響く。
大和国大名家の長姉、という立場でありながら、宿老の地位に任命された天城紫苑は、口数の少ない弟の代わりに粛々と評定を進める。
宿老に任命された直後から、時計塔支部やギルド、神殿といった諸外国にある施設の建造に着手し、ようやく国の土台が整ったことを感じた長姉は、二人の妹へと視線を向ける。
「んじゃ、俺からだな。まず、軍備に関してだが――」
姉とは異なり、快活に語るは天城家次女の千草。筆頭家老として軍事を司る彼女は、剣術・忍術以外の戦闘技術にも着目し、格闘術や騎馬・騎竜戦術、銃器の扱いと様々な戦闘技術を取り入れ、強兵に努めた。
結果、従来の軍勢とは毛並みの異なる兵たちが生まれ、規模は小さいながらも強力な軍力を手にするに至った。
一方、内政・軍備に力を注げば当然経済は疲弊するが――それを補うのが、末妹の役目である。
「――私からの報告はこんな感じだね!結論だけ纏めると、軍備・内政に投入してる資金は前回の三割増しだけど、外交ルートを開拓したから総収入は五割増。差し引きは黒字だよ!」
次席家老。天城家三女、桃花。天真爛漫で物怖じせず、人懐っこい性格と、天才的な洞察眼を武器に、海千山千の商人たちと渡り合い、数多の外交ルートを開拓。
二人の姉の活躍による経費増を補うどころか、さらなる潤いを大和国にもたらした富国の立役者である。
そんな三人の、頼りになる姉妹の報告を聞き終え、他の重鎮たちにも不平がないのを確認した大和国大名は、評定の終わりを告げる。
これから先、理想とする国を切り拓くために。刀一本で国を得た己のために、結婚という安定を捨ててでも力を貸してくれる姉妹に報いるために。今は亡き母のために。そして――愛する者のために。
今日もまた、大和国は変わり続ける。

一方――活躍する四人の父、蘇芳。彼は今日もまた、静かに留守を守るのであった。

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