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記事No 860
タイトル 執務室での原因究明
投稿日 : 2018/06/20(Wed) 21:57:51
投稿者 渚GM
参照先
竜仕王国デュハーン、王国騎士団歩兵隊隊長ドライラント・ゼーヴェル。
街道に出没する盗賊団撃滅のために、冒険者を私兵として雇い、商隊を装った馬車に軍需物資を積載し、輸送任務と並列して盗賊団を討伐する。という彼の作戦は、見事に成功をおさめ、冒険者たちもまた、予定通りの報酬を受け取り彼の執務室を後にした。
が、その直後。決して広くない室内に、ドライラントの叫びが響き渡る。
「って!!!どういうことだこれは!!!?……さては…!ツー……?」
ツー。そう呼ばれたシャドウの少女が眠そうな瞳で彼を見上げる。
「……なに?」
「なに?じゃない!どうなってるんだ、この受領報告書は!!物資の量が予定の一割も届いてないぞ!?」
「………あー」
「あーってなんだ、あーって!まさかおまえ、横流しを…?」
「するわけないじゃない、そんなこと。物資が少ないのは簡単。私が積み替えたから」
「……は?」
想定外の言葉に、ドライラントが絶句する。少女はソファに寝そべっていた体を起こし、悪びれもせずに事情を説明し始めた。
「まず…依頼を受けるにあたって、私が出した条件は?」
「い、いつもの5倍の報酬、だろう?」
「ん。それと、私の新兵器の実験を許可すること。だから、それはしょうがない」
「いやまて、意味がわからん」
「だから……。新兵器、メガ・ビーム・ランチャーはまだ実験段階で、エネルギーの効率化ができてない。で、試射のためには莫大なエネルギー源が必要なの。わかる?」
「ん……?うむ…。だが、それと荷物にどういう関係が……」
「つまり、エネルギー源を確保するために、予定の物資を降ろして供給装置を積んだの」
「おまっ!?」
「大丈夫。物資はちゃんと倉庫に戻しておいたから」
問題ない。とばかりに、ツーは親指を立てる。
「そういう問題じゃない!!どうするんだよ!輸送物資をちゃんと届けてないとか職務怠慢、下手したら横領の疑いをかけられるぞ!?」
「……………どんまい」
「おまえのせいだろうが!!」
「でも、約束通り盗賊団は殲滅した。それに、連中の使ってた怪しい兵器も提出したよ。手柄としては十分」
「確かにそうかもしれんが………」
「それに。ドライは信用できる。だから、また私が手伝って、手柄立てさせてあげる」
「…………。まったく……わかった、物資の件はこちらから急ぎの輜重隊を送ってどうにかしよう。これで、棒引きか、せめて減俸ぐらいで済むだろう」
「そう。でも、私への報酬は据え置きね」
「容赦ねぇな!?」
――その後。王国騎士団歩兵隊隊長ドライラント・ゼーヴェルに告げられた処分は、盗賊団殲滅の功績は認める一方で、輸送任務を怠った職務怠慢は許し難く。半年間の減俸に処す、とのことであった。
その結果、冒険者やツーへの支払い、その他必要経費を加味した結果、隊長は半年間の極貧生活を強いられることになるのだが……それはまた別の話である。

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