| 記事No | ： 1214 |
| タイトル | ： その後、フランディール家の一室にて |
| 投稿日 | ： 2019/09/12(Thu) 21:03:23 |
| 投稿者 | ： 渚GM |
| 参照先 | ： |
『…………』
『なんだガイウス。物思いにふけるなど珍しい』
『む、そういうつもりはなかったのだがな。そう見えたか？ジェニス』
『あぁ。………あの冒険者たちか？』
『うむ。久方ぶりに、英雄の器に出会えた。彼らはきっとこの先。歴史に名を遺す英雄になるぞ！』
『まぁ地力と潜在能力は認めるが……。私に言わせれば甘さが目立つな。あの時のお嬢様の発言が真実である確証などどこにもない』
『お嬢がそれほど器用な人間ではない、と見抜いていたのだろう。……というかジェニス。おまえ、全て気付いていた上でお嬢を放任したな？」
『……………さぁな。一つだけ確かなのは、私はお嬢様の家庭教師だ。そして……気付きを与えるのが教育だと考えている』
『気付き、か。――どうやら、その教育の成果が表れそうだな』
『ガイウス、ジェニス！出かけるわよ、準備しなさい！！』
『はっはっは！唐突だなお嬢。今度はどこへ行くんだ？山賊か？それとも馬賊か？』
『ふっふっふ。私だっていろいろ勉強したのよ！賊と名のつくものはだいたい悪党で、関わってはいけないとお父様も言ってたわ！だから私は、冒険者になるの！』
『…………は？お嬢様――』
『大丈夫！お父様も見分を広めるいい機会だって言ってたわ！旅に出る許可もしっかりもらったわよ！それに、この間の強い人たちも冒険者なんでしょう？だったら私もその道に進めば、今の３倍ぐらいは余裕で強くなれるわ！！』
『海賊の次は冒険者か。よかろう、このガイウス、地の果てまでも付き合おうじゃないか！』
『なっ！？おまえ、少しは止めないか！！』
『お嬢がこうと決めた以上、止めるなどとは無理な話であろう。大人しく従う方が結果的に被害は少ないと思わんか？』
『………あー！もう！！お嬢様！とりあえず同行はしますが、無理無茶無策だと思ったら無理にでも連れ帰りますからね！？』
『大丈夫よ！私の冒険は今ここに始まったばかりなんだから！！』
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