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記事No 1208
タイトル 水小路の変・報告書
投稿日 : 2019/08/26(Mon) 20:31:04
投稿者 渚GM
参照先
「そう、ごくろうさま。ゆっくり休んでちょうだい」
大和国本城、天守閣。密偵からの報告書を受け取った天城家長女にして筆頭家老。紫苑は報告に赴いていた密偵を労い、書に目を通す。
「水小路の変。御陵守護隊隊長 伊織甲子太郎以下、隊士悉くを討ち取るものの、幹部である工藤平助以下数名は逃亡。他、生死不明者若干数――あらあら……予想通りではあるけど、ちょっと嫌な予感がするわねぇ〜。いっそ千草ちゃんに全員叩き切ってきてもらおうかしら〜」
「おいまて紫苑姉。俺がそれやったら意味ねぇだろ!?」
「うふふ、冗談よぅ〜」
即座に次女、千草が反論を掲げるも、柔和な笑みで受け流し、上座にて静かに瞑目する弟へと視線を流す。視線を感じた天城家現当主は瞳を開くと、小さく頷きを返し、再び双眸を閉ざす。
「わかったわ。とりあえず千草ちゃん。もうすぐ予想通り、大きな戦が起きると思うけど……私たちはあくまで中立よ。でも……例の件は進めておいてね?」
「あぁ、わーってるよ。ったく……戦を黙って見てる、ってのは性に合わねぇんだけどな……」
「あらあら、わがまま言っちゃめっ、よ?本音を言えば、お姉ちゃんだって今すぐ動きたいんだから」
「それもわかってるよ、姉貴。でも俺としては、弟と妹に全部任せっきりってのがどうにもな」
「適材適所よ〜。私たちは私たちにできることをやりましょう」
そう、纏めて。紫苑は天守より街並みを見下ろす。多種多様な種族の集まる異色の国。誰しもが平穏を謳歌し、笑顔の絶えない街の、その一角で。小さな。されどもかけがえのない再会が果たされていた――。

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